科目名 □総合講座Ⅱ
担当教員   坂本 浩一     
対象学年   1年   クラス   [081]  
講義室   N503教室   開講学期   後期  
曜日・時限   木3   単位区分   選択  
授業形態     単位数   2  
準備事項    
備考    

講義概要/Class Outline

日本語応用の授業においては、受講者の身辺に存在するネット用語・アニメ作品の言語表現などサブ・カルチャー領域のコミュニケーション表現や、若者の方言ブームに関する話題などを盛り込みつつ、現代日本語コミュニケーションの問題点について、さまざまな観点から取り上げて行く。
 一方で、実践的な日本語コミュニケーション能力の向上を図るために、特に【1】「書記言語コミュニケーション能力の養成開発」と【2】「敬語コミュニケーション運用能力の養成開発」の二点を主要目標とする。この二点は、現代日本語社会における若者世代が言語表現において苦手とする事項のうち、特に「文章表現(かきことばの表現)」と「敬語表現」の養成と能力開発を授業内容の重点項目として掲げるものである。
 なお、副次的な要点事項として、(a)「キャリア教育としての就職活動実用文書作成能力の養成開発」、(b)「共通語コミュニケーションと方言コミュニケーション間に存する表現上の諸問題についての認識とその対策」、(c)「マス・メディアの日本語表現に存する表現上の諸問題についての認識とその対策」の三点を副次目標として設定する。
 上記の諸目標について、単なる知識の習得に終始することのないよう、並行して毎回の授業において課す提出レポートにおいて、正しい日本語表現による報告書作成能力を実践的に開発することとする。  

講義計画 /Class Structure

内容
1 コミュニケーション文体と位相(1)
有識者会議における日本語コミュニケーションに関する指摘  文章語と口頭語  言文一致と文体差  誕生!第三の言語=うちことば ほか
2 コミュニケーション文体と位相(2)
言語の位相について  若者語  ネット用語  オタクのコミュニケーション  萌えは文語である  ツンデレの係り結び ほか
3 コミュニケーション文体と位相(3)
役割語の世界  男性語と女性語  幼児語と老人語 お嬢様言葉  てよ・だわ言葉  とりかへばやの系譜?竜之介・どろろ ネカマ ほか
4 コミュニケーション文体と位相(4)
若者コミュニケーションの特徴 携帯・メールコミュニケーションの特質 ビジュアル系文字・AAとコミュニケーション表現 ほか
5 社会人・就職活動者の役に立つ実践日本語表現法(1)
コミュニケーション・ツール選択の問題  メールでいいの?  世代間コミュニケーションの問題 筆記具のマナー ほか
6 社会人・就職活動者の役に立つ実践日本語表現法(2)
かきことば の最高峰?手紙の作法・マナー  手紙は格式の世界 封筒・便箋・切手のマナー 頭語と結語 手紙の構成・作法 書簡文の基礎的礼儀 ほか
7 社会人・就職活動者の役に立つ実践日本語表現法(3)
アルバイト・就職活動の前に履歴書作成だ!  きちんと履歴書・エントリーシートを書いてみよう!  自己PR表現 就職活動の礼状の書き方 ほか
8 共通語表現と地域方言の諸問題(1)
方言と日本語表現(1) 共通語と地域方言 標準語と共通語って同じ? バンソウコウの方言 方言区画?京へ筑紫に坂東さ 東西方言のさかい ほか
9 共通語表現と地域方言の諸問題(2)
方言と日本語表現(2) お国言葉の諸表現 可能表現?「ら抜けレタスにキル九州」  方言伝播パターンの変容  ほか
10 共通語表現と地域方言の諸問題(3)
方言と日本語表現(3)  若年層と地域方言 若者ことばと方言ブーム  スポーツ新聞記事から見た「なまらガール」現象 ほか
11 マス・メディアと日本語表現(1)
放送・活字メディアと日本語表現  「ナンクルナイサー」の暴走  「ぎゃん」がフクオカ弁って!?  ほか
12 マス・メディアと日本語表現(2)
「全力で見逃せ!」 ってどこが新しい表現? 空耳ソングという言語文化 ほか 
13 敬語コミュニケーション(1)
日本語の敬語システム 共通語敬語と方言敬語の問題 絶対敬語と相対敬語 身内尊敬とウチ・ソトの問題 スタイルシフトって知ってる?ほか
14 敬語コミュニケーション(2)
敬語は日本語の文化だ! 中国・韓国の敬語システム事情とくらべてみよう! 社会・教育システム・人々の言語意識と敬語の変遷  ほか
 

学習・教育目標/Class Target 1.日本語の文体について、文章語と口頭語各々の変遷と特質を理解する。
2.日本語の位相について、男性語と女性語の差異、世代間の言語的差異、地域方言間の差異、
  特殊な職場用語といった社会方言間の差異等について理解する。
3.書記言語におけるコミュニケーション・ツール選択を適切に行う。
4.書記言語コミュニケーションにおいて最も難しく苦手とされる、手紙文の実用的な作成能力を
  高める。
5.履歴書・エントリーシートなど、実用的な就職活動関連文書の作成能力を高める。
6.インターネット・メディア、放送メディア等の言語情報に対するリテラシー能力を高める。
7.特に、若者語・キャンパスことばの特質について把握し、自己のコミュニケーション表現を錬磨する。  
評価基準/GradingCriteria ・秀:学習・教育目標の1?7について、90%以上を達成する。  ・優:学習・教育目標の1?7について、80%以上90%未満を達成する。  
・良:学習・教育目標の1?7について、70%以上80%未満を達成する。  ・可:学習・教育目標の1?7について、60%以上70%未満を達成する。  
評価方法/GradingMethod 提出課題(40%)、定期試験(60%)、計100%として、総合的に評価する。  
受講上の注意/Class Rules 携帯電話の電源は必ず切っておくこと。提出課題は、毎時間その都度、提出する授業レポート・言語アンケート等の積算ポイントによって評価する。授業レポートを提出しない場合は、その時間の評価ポイントがつかないので注意。  
受講制限/Prerequisit  
関連する科目/Related Class 日本語基礎  
教科書/Text
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指定図書/Assigned Books
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参考文献/Bibliography
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